多彩な焙煎豆とコーヒー教室で
コーヒー文化を発信する伝道師
株式会社 ビワノコーヒー代表取締役 松山 浩人
コーヒーのふくよかな香りに魅了され、青森県野辺地町で創業した「BIWANO 52 Coffee Factory」。豊富な焙煎豆のラインナップと、基礎から上級編までのコーヒー教室を通してコーヒー文化を広く伝えたいと語る代表取締役・松山浩人氏に展望をうかがった。
確かなコーヒーの知識と焙煎技術を習得し、念願のコーヒー店を開業
コーヒーのあるところには自然と人が集まり会話が生まれ、コミュニティが育まれていく。そんな素晴らしいコーヒー文化を広めたいと、松山浩人氏がパートナーである美紀代氏とともに立ち上げたのが青森県の小さな港町・野辺地町枇杷野地区にある株式会社 ビワノコーヒーだ。
「いつか必ず、コーヒーに携わる仕事に就きたい」。長く会社勤めをしていた松山氏が抱いていた夢の第一歩は、コーヒーのプロとして正しい知識と技術を習得することから始まったという。J.C.Q.A.コーヒーインストラクター検定を通して学びを続け、2018年12月にはついに1級を取得。尊敬する恩師がいる群馬県高崎市のコーヒー店で焙煎技術を習得し、2019年、青森県初の東日本コーヒー商工組合加盟店である自家焙煎コーヒー専門店「BIWANO 52 Coffee Factory」を開業した。
豊富な焙煎豆のラインナップとコーヒー教室を通して、知識を伝える側に
店には常時約30種類もの焙煎豆をラインナップし、お客様に対して産地や精製方法、抽出器具による味わいの違いを丁寧に伝えているという松山氏。グレードの高いコーヒーも手頃な価格に設定するなど、多様なコーヒーを広く手に取ってもらえるよう工夫を重ねているという。
また、カフェではサイフォン、ペーパードリップ、ネルドリップ、エスプレッソマシンとさまざまな抽出方法でコーヒーを提供。開業当初から尽力するコーヒー教室でも、基礎知識を学ぶ入門者向けのコースからサイフォン、カッピングなどの玄人向けコースを展開し、幅広い客層へのアプローチを試みている。「大都市ほどまだコーヒー文化が浸透していないこの地だからこそ、さまざまな選択肢を用意することで、コーヒーの多様性を伝えたい」と、松山氏。青森県内でこれほど深くコーヒーに触れられる場は珍しく、地域住人はもちろん県内各地からコーヒー好きが訪れ、情報交換や交流の場となっている。BIWANO 52 Coffee Factoryは焙煎所であり、コーヒー豆店であり、カフェ。そして同時にコーヒー文化を一手に体感できる“学び場”といっても良いだろう。
目指すのはクリアな味と芳醇な香り。
コーヒー豆の個性を伝えるのも使命
品種や精製方法違いで生豆を仕入れ、コーヒーの魅力や価値を伝える
約10の商社から厳選し、生豆の仕入れを行っているという同店。産地にバリエーションを持たせることはもちろん、同じ産地の生豆でも異なる品種やグレード、精製方法のものを扱うことで、その違いを体感できるラインナップを意識しているという。そのほか、カネフォラ種(ロブスタ)や、ユニークな精製方法の生豆も積極的に取り入れ、まだその存在すら知らないお客様に新たな価値を届けるとともに、その魅力を伝えることも松山氏は自身の使命と感じている。
最適な量の焙煎とクリアな味に導くハンドピックで品質管理を徹底
松山氏がコーヒーを作る上で大切にしていること、それは“クリアな味わい”だ。仕入れた生豆はその産地ならではの味わいを伝えられるよう、焙煎前後に計3回のハンドピックを実施。焙煎前に一度、焙煎後には松山氏と美紀代氏がダブルチェックを行うことで徹底して悪い酸味や渋味の原因となる欠点豆を除去している。焙煎機はフジローヤルの「R-105」と「R-101」の大小2台を使用。需要に応じた量をこまめに焙煎することで鮮度の高い豆を提供することを心がけている。
もう一つ、松山氏がコーヒーを語る上で欠かせないというのが “香り”だ。「私がコーヒーに魅了されたきっかけは、一瞬にして心に安らぎを与えてくれるふくよかな香りでした。シティローストやフレンチローストでも、ほろ苦さのなかに甘味がしっかりと感じられ香り高い。それが私の目指すコーヒーです」。焙煎の際には焙煎機内の煙がコーヒー豆に付かないようダンパー操作のタイミングに細心の注意を払い、それを実現させている。
枇杷野の名を世界へ。店名に込めた大きな夢
BIWANO 52 Coffee Factoryという店名には、52歳で店を始めた当時の初心を忘れないという決意とともに、いつかは“Factory=工場”のように青森から日本全国へ、そして世界へとコーヒー文化を発信する大きな存在になりたいという野望を込めたと語る松山氏。近年は青森市内で出張コーヒー教室を行うほか、県内各地への卸販売、十和田市に2号店をオープンするなど、着実に活躍の場を広げている。常にひたむきにコーヒーと向き合ってきた松山氏だ。必ずや、青森県の小さな港町・枇杷野の名を世界に轟かせてくれるだろう。
Product商品詳細
株式会社 ビワノコーヒースペシャルブレンド
(100g)480円(税込)
- 価格は取材時点のものになります
タンザニア産の豆をベースにその他2種類の豆を加え、酸味とコク、やわらかな甘味がバランス良く感じられるようシティローストで仕上げた、同社で一番人気のブレンド。芳醇な香りが特徴。多くの人に味わってもらえるようリーズナブルな価格も重視する。
Company会社情報
会社名 | 株式会社 ビワノコーヒー |
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住所 | 039-3156 青森県上北郡野辺地町字枇杷野33-95 |
電話 | 0175-67-9778 |
FAX | 0175-67-9778 |
営業時間 | 10:30~17:30 |
定休日 | 水、土 |
coffee-f@outlook.jp | |
HP | https://biwano52.com/ |